医療の本音

保健所は26年で4割減 危機管理機能強化を

松本尚・日本医科大学救急医学 教授
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	電話相談業務に当たる大阪市の中央区保健福祉センターの職員=2020年4月30日午前10時10分、藤井達也撮影
電話相談業務に当たる大阪市の中央区保健福祉センターの職員=2020年4月30日午前10時10分、藤井達也撮影

 ノーベル賞受賞者の山中伸弥先生が、新型コロナウイルス感染者が日本で少ない理由に「ファクターX」の存在を挙げられています。この「X」の一つに保健所があります。

 保健所では帰国者・接触者相談センターを開設し、PCR検査や陽性者の積極的疫学調査、クラスター発生時の施設調査と指導、電話による問い合わせ対応などをしていて、広範囲かつ緻密な活動によって一つ一つの感染の拡大を抑え込めたのだろうと推察します。

 保健所は、1937年制定の保健所法によって、結核などの伝染病のまん延に対する衛生思想の啓発や疾病予防を目的に設置されました。現在では94年改正の地域保健法の下、感染症対応や精神保健、食品・環境衛生に関する指導、医療法に基づく医療機関の監視など業務は多岐にわたります。2005年には国の地域保健対策検討会が保健所を中心とした健康危機管理体制の構築、特に「原因不明の健康危機」「災害有事・重大健康危機」…

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松本尚

日本医科大学救急医学 教授

まつもと・ひさし 1962年生まれ。1987年金沢大医学部卒業。金沢大医学部附属病院 救急部・集中治療部講師、日本医科大救急医学准教授などを経て2014年4月から現職。日本医科大学千葉北総病院救命救急センター長であり、印旛地域救急業務メディカルコントロール協議会会長などを務めている。専門は救急・外傷外科学、救急医学、災害医学、消化器外科学、経営管理学。