
東京や大阪を中心に連日多数の新型コロナウイルス感染者が報告されています。自粛を強いられ、人に会うことを控えるといった生活が続き、そのせいで疲労感、さらに抑うつ感が出現している人が増えてきています。なかには、「集中力の低下やだるさはコロナに感染したせいに違いない」と考えて相談にくる人もいるほどです。「いつまでこんな生活が続くのでしょうか」と尋ねられると、「有効なワクチンか特効薬が開発されれば状況は変わると思います」と答えています。では、それらはいつごろ登場するのでしょうか。今回は新型コロナに有力とされている薬やワクチンの現時点での最新情報を紹介したいと思います。
新型コロナの薬について初めて紹介したのは4月12日の「新型コロナ 『効く薬』の候補は?」、その次が5月18日の「新型コロナ 抗ウイルス薬『使うなら早期』?」ですから、今回が3回目となります。5月18日の回では新型コロナの候補薬を二つに分類して考えました。「ウイルスそのものをやっつける薬」と「重症化を防ぐ薬」です。今回もこの二つの視点から説明していきたいと思います。
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谷口医院院長
たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。