心の天気図

うつ病治療する医者の悩み

佐々木 司・東京大学教授・精神科医
  • 文字
  • 印刷
 
 

 コロナ疲れがたまっていたのだろうか、先日顔にヘルペスが出て、皮膚科にかかった。抗ウイルス薬を処方され数日のうちに改善し、薬と治療の威力を実感した。

 同時に、普段自分が従事している精神科診療のもどかしさを感じた。精神科の治療はなかなかストレートにいかない。特にうつ病では、治療方法をあれこれ迷い悩むのが、私の場合、日常的である。

 30年以上も精神科の診療に携わって、いまだに迷い続けているとは情けない話だが、冷静に考えるとそれなりの理由がある。

この記事は有料記事です。

残り724文字(全文946文字)

佐々木 司

東京大学教授・精神科医

東京大学医学部医学科卒。東大病院、財団法人神経研究所晴和病院での勤務を経て、トロント大学クラーク精神医学研究所に留学。帝京大学医学部講師などを勤め、2008年に東京大教授。生活習慣や環境的諸要因と「こころと体」の健康との関連の解明、学校精神保健教育プログラム開発などを進め、英文国際誌を中心に成果を発表している。日本不安症学会理事長、日本学校保健学会常任理事。一般向け著書としては「その習慣を変えれば『うつ』は良くなる!」、共著に「精神科医と養護教諭がホンネで語る 思春期の精神疾患」