いきいき女性の健康ノート

不整脈や月経不順の原因にも 甲状腺機能亢進症とは

福島安紀・医療ライター
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 大阪府の吉村洋文知事が新型コロナウイルス感染症に関連して使用を呼びかけたポビドンヨード入りうがい薬を買い占める動きが出て、薬局からうがい薬が姿を消した。これに対し、日本甲状腺学会と日本内分泌学会、日本内分泌外科学会は、8月6日、効果が明らかではないうえに、「甲状腺機能に異常が起こることがある」と共同で注意を促す声明 (新型コロナウイルス感染症へのヨウ素系うがい薬の使用についての見解)を出した。甲状腺機能に異常が起こる病気には、前回取り上げた橋本病、甲状腺機能低下症の他に、バセドウ病、甲状腺機能亢進(こうしん)症がある。どのような病気なのか、新型コロナウイルス感染症の重症化リスクはあるのか、国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター母性内科診療部長で甲状腺専門医の荒田尚子さんが解説する。

 甲状腺機能亢進症は、全身の代謝を促す甲状腺ホルモンが必要以上に作られる状態を指す。その大半を占めるのがバセドウ病だ。子どもから高齢者まで男女共にどの年代でも発症するが、20~30代の若い女性に多い。

 「バセドウ病は、がん細胞や外から侵入した細菌、ウイルスなどを撃退する免疫機能に異常が起き、自分の組織を攻撃してしまう『自己免疫疾患』の一つです。何らかの原因で甲状腺に対する自己抗体ができて甲状腺を刺激することで、甲状腺ホルモンが過剰に産出され、首の腫れ、動悸(どうき)、息切れ、手足の震え、体重減少、汗をよくかく、疲れやすい、イライラする、月経不順などの症状が出ます」と荒田さんは説明する。

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福島安紀

医療ライター

ふくしま・あき 1967年生まれ。90年立教大学法学部卒。医療系出版社、サンデー毎日専属記者を経てフリーランスに。医療・介護問題を中心に取材・執筆活動を行う。社会福祉士。著書に「がん、脳卒中、心臓病 三大病死亡 衝撃の地域格差」(中央公論新社、共著)、「病院がまるごとやさしくわかる本」(秀和システム)など。興味のあるテーマは、がん医療、当事者活動、医療費、認知症、心臓病、脳疾患。