無難に生きる方法論

潰瘍性大腸炎 再発の影にストレス

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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記者会見で辞任を表明し、記者から質問を受ける安倍晋三首相(奥左端)=首相官邸で2020年8月28日午後、竹内幹撮影
記者会見で辞任を表明し、記者から質問を受ける安倍晋三首相(奥左端)=首相官邸で2020年8月28日午後、竹内幹撮影

 新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)し、まだ収束の兆しが見えない中で安倍晋三首相が体調不良を理由に辞任を表明しました。思い起こせば、2007年にも同じように持病の潰瘍性大腸炎が悪化して辞任されています。今回は約8年間の長期政権を維持し、その間にさまざまなことがありましたが、まずは「ご苦労様でした」とねぎらいたいところです。

 潰瘍性大腸炎は難病に指定されていますが、07年ごろは我々が処方できる薬も少なく、有効性も十分とは言えませんでした。その後、潰瘍性大腸炎やクローン病の薬が続々と開発され、患者さんには朗報となっています。安倍首相も画期的な薬が登場したことによって再登板を決意したと言っておられます。

 しかし、画期的な薬が登場して最新の治療を受けている安倍首相がなぜ潰瘍性大腸炎の悪化で退陣に至ったのか? 実は潰瘍性大腸炎の悪化には、ストレスが強く関係しているといわれています。

 安倍首相には大変失礼な話ですが、私は第1次安倍政権が終了した後に下痢に関する本「下痢、ストレスは腸にくる」(大阪大学出版会)を出版しました。その中で、安倍首相が退陣に追い込まれた背景を分析しました。安倍首相は若い時より潰瘍性大腸炎に悩まされており、小泉純一郎首相のもとで、官…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。