ヘルスデーニュース

亡くなる直前でも耳は聞こえる

  • 文字
  • 印刷

 死に瀕した人は、反応がないように見えても、耳は聞こえている可能性のあることが、ホスピス患者の脳波データを用いたカナダの研究で明らかにされた。論文の筆頭著者で、研究当時ブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)に所属していたElizabeth Blundon氏は、「自然死の直前の数時間は、多くの人が反応のない状態となるが、この研究から、たとえ意識がなくても、脳は最後まで音に反応することが示された」と述べている。詳細は、「Scientific Reports」6月25日オンライン版に掲載された。

 Blundon氏らは、カナダのバンクーバーにあるセントジョン病院で緩和ケアを受けていた患者を対象に、入院直後の意識があるときと、反応がなくなった死の間際の2度にわたって、音刺激に対する脳の電気的活動を評価する脳波検査(EEG)を行い、17人の健康な対照群(平均年齢21.3歳、女性10人)の検査結果と比較した。最終的な解析対象となった患者は28・88歳の9人(平均年齢68.2歳、女性4人)で、このうち、意識のあるときに脳波を計測できたのは8人、反応のなくなったときに脳波を計測できたのは5人だった。

 音刺激として用いられた聴覚パターンは、5つの同じ周波数の音(1000Hzまたは500Hzの音の繰り返し)で構成される2種類と、4つの同じ周波数の音と最後の一音だけが異なる周波数の音(1000Hzまたは500Hzの音の繰り返し)で構成される2種類の合計4種類。Blundon氏らは、これらの聴覚パターンの繰り返しから成る連続音を対象者に聞かせ、より長く出現する刺激の中からまれに出現する刺激を聞き分け…

この記事は有料記事です。

残り1287文字(全文1987文字)