実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ ワクチンが逆効果になる心配

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
  • 文字
  • 印刷
 
 

 前回は、新型コロナウイルスに再感染した患者3人の事例を紹介し、初感染時に形成された抗体が有効だったのかどうかの結論は出ていないものの、再感染時には軽症で済む可能性を指摘し、「少し明るい希望が見えてきた」という言葉で締めくくりました。ところが、その原稿を脱稿した翌日、米国から、一転して懸念材料となる情報が入ってきました。どんな情報で、私が何を懸念したのか。今回はそのあたりを説明したいと思います。

 情報の元は、医学誌「New England Journal of Medicine」が運営する情報サイト「Journal Watch」です。8月30日の「Medical News」で米国での再感染の事例が報告されています。簡単にまとめると次のようになります。

この記事は有料記事です。

残り3799文字(全文4128文字)

谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト