発達障害やその疑いのある人の配偶者などに多い「カサンドラ症候群」について聞かれることが増えてきました。私の相談室にも時折、カサンドラ症候群について相談したいという方が来られます。

 カサンドラ症候群とは、家族やパートナーなど生活の身近にいる人が自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群、以下ASD)であるために、情緒的な相互関係を築くことが難しく、心的ストレスから不安障害や抑うつ状態、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの心身症状が起きている状態を指す言葉です。正式な疾患名ではありません。カサンドラ症候群の方は女性が多いのですが、これはパートナーである男性にASDが多いことによるのではないかと思います。

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井上雅彦

鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座教授

鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学講座教授。専門は応用行動分析学、臨床心理学。同研究科付属臨床心理相談センターで発達障害を中心に当事者や家族の相談を受けている。公認心理師、臨床心理士、専門行動療法士などの資格を持ち、ペアレント・トレーニング・システムなどの支援プログラムを開発。主な著作に「発達が気になる幼児の親面接:支援者のためのガイドブック」(共著、金子書房)、「発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方」(監修、LITALICO発達ナビ編集部協力、すばる舎)など。