百寿者に学ぶ バランス健康術!

「コロナの時代」 どう生きるか

米井嘉一・同志社大学教授
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 2020年秋、新たな内閣総理大臣が誕生し、新型コロナウイルス対策を所管する厚生労働省などの大臣らも変わりました。これまではコロナ感染防止対策に重点が置かれていましたが、私はこれからは「With or After コロナの時代」の時代をどう生きるか考えていく必要があると考えます。

 私が担当する同志社大学生命医科学部「公衆衛生学」の講義に、厚労省の鈴木康裕氏をゲストスピーカーとしてお招きしたことがあります。鈴木氏は医務技監として、19年末から新型コロナ対策の要役として不眠不休で対応にあたり、20年8月にその責務を終えました。慶応大学医学部の広報誌で次のように述べています。

 「新型コロナウイルスはかしこい」

 苦労の末に吐露した本音だったに違いありません。天然痘ウイルスのように毒性が強く、致死率が高いウイルスであれば、ここまで広がらなかったでしょう。世界保健機関(WHO)は1980年「天然痘の世界根絶宣言」をしました。その後、地球上で天然痘患者の発生はありません。天然痘ウイルスは生物種として生き残れなかったのです。

 しぶとく生き残っている病原ウイルスには、「かしこいな」と思わせる特徴があるのです。例えば、毎年猛威を振るうインフルエンザウイルスは、表面の構造を頻繁に変えながら、人間の免疫防御機構の監視の目をすり抜ける技を持っています。これが「変異」という特技です。まるで忍者のように、映画「ミッション・インポッシブル」の主人公のように、変装して厳重な防御壁を打ち破るのが特徴です。

 新型コロナの特徴として、潜伏期間中の感染性、症状の多様性、ウイルスの…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。