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アルコール依存の深い闇 和田秀樹医師に聞く

医療プレミア編集部
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和田秀樹医師=大阪市淀川区で2018年4月9日、菅知美撮影
和田秀樹医師=大阪市淀川区で2018年4月9日、菅知美撮影

 先月、アイドルグループ「TOKIO」の元メンバー、山口達也容疑者(48)が道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。2年前にも飲酒がらみのトラブルで書類送検されているが、なぜ繰り返すのか。精神科医の和田秀樹さん(60)に話を聞いてみると、容易には抜け出せない深い「闇」が見えてきた。【くらし医療部・石田奈津子】

 ――酒気帯び運転で山口達也容疑者が逮捕されました。前にも飲酒がらみのトラブルで逮捕されていますが、どう考えればいいのでしょうか?

 2018年に飲酒中の強制わいせつ容疑で書類送検されるという事件を起こしているのに、今もお酒をやめられていない。また、呼気検査で基準値の4倍以上のアルコールが検出され、大量に飲んでいることが推測される。このような点から、アルコール依存症の可能性が高いのではないかと思います。精神疾患の国際的な診断基準「DSM-5」ではアルコール依存症について、11ある項目のうち二つ以上が当てはまる場合に、アルコール依存症と診断されることになっています。彼の場合もこれに当てはまると思いました。

 ――山口容疑者が逮捕された時、ワイドショーなどでは彼への人格攻撃が目立ちました。

 「お酒がやめられない意志が弱い人」とレッテルをはっているようにも感じました。「アルコール依存症は、意志の弱い人がなるもの」と思っている人が多いですが、明らかに誤解です。この依存症は精神疾患の一つ。アルコールによって脳のメカニズムに変化が生じ、快楽や高揚感が脳を支配するようになるため、意志の力で治ることはありません。依存…

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