医療プレミア特集

奈良の病院が診た外国人コロナ患者

医療プレミア編集部
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今年2月のクルーズ船集団感染を受け、乗客の外国人4人を受け入れた奈良県立医大付属病院=奈良県橿原市で2020年7月2日、久保聡撮影
今年2月のクルーズ船集団感染を受け、乗客の外国人4人を受け入れた奈良県立医大付属病院=奈良県橿原市で2020年7月2日、久保聡撮影

 今年2月、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。56カ国・地域の人々が乗船、感染者や家族は次々と医療機関に搬送された。搬送先は停泊した横浜港周辺の都県では足りず、関西にも及んだ。奈良県立医大付属病院(同県橿原市)も外国人4人を受け入れた。対応にあたった医師や看護師の証言などから、当時の様子を振り返る。【奈良支局・久保聡】

 4人は東アジアに住む60代の夫妻(夫が陽性)と30代の夫妻(妻が陽性)だった。彼らを乗せた大型バスが病院に着いたのは、横浜港を出発して約12時間後の2月22日午前3時半ごろ。底冷えがするほどの寒さの中、病棟の近くで降車した4人は、疲れ切った表情だったという。

 未明で来院者などはいなかったが、病院では念のため動線を分け、地下通路を使って病棟に誘導、採血やCT検査をして別々の病室に収容した。その際、「食事はないのか」と英語で尋ねてきた30代夫妻は空腹だったようで、病院がカップ麺を提供した。

 4人の受け入れ要請があったのは、21日午前11時ごろだった。国も混乱し、受け入れ先を探すのに苦労していたのか、クルーズ船のDMAT(災害派遣医療チーム)から病院に直接、連絡が入った。

 同病院は1月、国内初の「ヒトからヒトへ」の感染例となった県在住のバス運転手の男性を受け入れた経験から、態勢は十分だった。そのため、直ちにDMATの要請を承諾。到着を前に「動線をどうするか。スタッフをど…

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