医療の本音

医師会への誤解と期待

松本尚・日本医科大学救急医学 教授
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 皆さんご存じの通り、手塚治虫の漫画に登場する天才外科医ブラック・ジャックは無免許医です。ことあるごとに医師会のお偉方が出てきては、居丈高に彼の診療を邪魔したり、医師免許の発行をエサに利を得ようとしたりします。この作品の全編にわたって「医師会」はことさら悪役に描かれています。

 医師会は、開業医の利益を守ることを目的とした団体という誤解があります。筆者自身も勤務医生活の前半期まではそんなイメージを持っていました。ところが、公定価格である日本の診療報酬制度の下では、そんな簡単には収入を増やせません。薄っぺらな利益しか得られない中で、看護師や事務職員の給与、施設維持費を支払っていかなければなりませんから、羽振りのいい開業医がいても、その多くは見えないところでかなりの経営努力をしているんだと思います。

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松本尚

日本医科大学救急医学 教授

まつもと・ひさし 1962年生まれ。1987年金沢大医学部卒業。金沢大医学部附属病院 救急部・集中治療部講師、日本医科大救急医学准教授などを経て2014年4月から現職。日本医科大学千葉北総病院救命救急センター長であり、印旛地域救急業務メディカルコントロール協議会会長などを務めている。専門は救急・外傷外科学、救急医学、災害医学、消化器外科学、経営管理学。