ジソウのお仕事

知られていない児童虐待 親子心中

青山さくら・児童相談支援専門職員
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 あまり知られていないけれど、子どもが虐待によって死亡する事例の中で、親が子どもを殺して自殺を図る、いわゆる無理心中、親子心中によるものがとても多い。

 厚生労働省の報告書(※)によると、2003年から19年までの約16年間に、546人の子どもが心中によって亡くなっている。未遂も含めば、その数は何十倍にもなるのではないか。

 心中と子どもの虐待死を研究している人から聞いた話によると、日本では、父親と母親ではその動機や背景が異なるのだそうだ。父親が加害となった場合の多くは、借金などの経済的要因。母親が加害となった場合の多くは、精神的な問題であるという。

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青山さくら

児童相談支援専門職員

「青山さくら」はペンネーム。複数の児童相談所で児童福祉司として勤務。「ジソウのお仕事」は隔月刊誌「くらしと教育をつなぐWe」(フェミックス)で2009年4月から連載。過去の連載の一部に、川松亮・明星大学常勤教授の解説を加えた「ジソウのお仕事―50の物語(ショートストーリー)で考える子ども虐待と児童相談所」(フェミックス)を20年1月刊行。【データ改訂版】を2021年3月に発行した。絵・中畝治子