実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ トランプ氏が使った薬とは?

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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マスクを着用し、入院先の病院に到着したトランプ米大統領=首都ワシントン郊外で2020年10月2日午後6時31分、鈴木一生撮影
マスクを着用し、入院先の病院に到着したトランプ米大統領=首都ワシントン郊外で2020年10月2日午後6時31分、鈴木一生撮影

 米国のトランプ大統領が新型コロナウイルス感染公表からわずか6日目に執務に復帰したことで、さまざまな意見が飛び交いました。「復帰は早すぎるのでは?」という声が多いようですが、一部には「そんなに短期間で復帰できるのはおかしい。本当は感染していなかったのでは?」といった陰謀論のような臆測もあるようです。そんななか、大統領に投与された新薬に注目が集まり、大統領自身も、公表したビデオメッセージのなかで「自分が受けた治療をすべてのアメリカ人が享受できるようにすべきだ」とコメントしています。今回は大統領に投与されたその新しい薬も含めて、現時点で新型コロナウイルスに有効とされている薬をまとめてみたいと思います。

 新型コロナの薬についてのコラムはこれで4回目となります。初めて紹介したのは4月12日の「新型コロナ 『効く薬』の候補は?」、次が5月18日の「新型コロナ 抗ウイルス薬『使うなら早期』?」、3回目が8月3日の「新型コロナ 効く薬が出る見通しは」です。まずはこれまでの経過をまとめておきましょう。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト