“子ども食堂”の時代―親と子のSOS―

子どもの逆境体験が社会にもたらすもの

可知悠子・北里大学講師
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 胸が締め付けられるような虐待の報道が相次いでいます。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上では虐待をした親への批判的なコメントが絶えません。しかし、親自身に虐待を受けた経験があり、そのトラウマに苦しんでいるケースも少なくありません。こうした虐待の連鎖を止めるにはどうしたらよいでしょうか?

 今回は、第36回日本ストレス学会学術総会でオンデマンド配信中の「小児期逆境体験(adverse childhood experiences=ACEs)の発達・健康への長期的影響」というシンポジウムの一部を紹介しながら、虐待などの逆境を体験した子どもに対して周りは何ができるのかを考えます。

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可知悠子

北里大学講師

かち・ゆうこ 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。2006年から10年間、臨床心理士として子どもや女性のカウンセリングにあたる。帝京大学医学部衛生学公衆衛生学講座助教、日本医科大学衛生学公衆衛生学教室助教を経て、18年4月から北里大学医学部公衆衛生学単位講師。東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室客員研究員、国立成育医療研究センター社会医学研究部共同研究員、首都大学東京客員准教授。共著に「子どもの貧困と食格差~お腹いっぱい食べさせたい」(大月書店)。自身も3歳児の子育て中。労働者とその子どもの健康の社会格差をテーマに研究を行っている。