母からもらった腎臓~生体間移植を体験して~

大学生が臓器移植を啓発する理由

倉岡 一樹・東京地方部記者
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チームアルメリアの学生が開設したホームページ「いのちの樹」
チームアルメリアの学生が開設したホームページ「いのちの樹」

 臓器移植の意思表示をしてくれる人を増やしたい――。東洋大経営学部(東京都文京区)の学生5人がホームページやSNSなどを駆使してそんな啓発活動に取り組んでいる。5人は臓器移植とは縁遠かった“普通の学生”。なのになぜ、意思表示の少なさに関心を寄せ、使命感を持って活動をしているのだろうか。【東京地方部・倉岡一樹】

 5人はリーダーの大辻颯一郎さん(21)▽椎野慧斗さん(21)▽大黒舜太さん(21)▽斎藤愛音(まね)さん(20)▽荘司伸さん(21)で、「チームアルメリア」として活動している。アルメリアは春に咲く多年草で、「思いやり」という花言葉がある。

「社会貢献」テーマとして浮上

 いずれも消費者行動論などを学ぶ同大マーケティング学科の3年生で、臓器移植への関わりは皆無だった。活動のきっかけは今年2月、所属ゼミの3年生が毎年参加する学生向けプレゼン大会のテーマ選びだったという。5人でチームを組み「社会貢献」を軸にテーマを選ぶ中で「臓器移植の意思表示」に着目した。発案した斎藤さんは「病院へ行く機会が多く、保険証の裏で意思表示を知り、気になっていた」と話す。

 しかし、チームのだれもが意思表示をしておらず、何も知らなかった。ゼロから文献を読んで学び始め、日本臓器移植ネットワークや日本移植者協議会など関係者にもアドバイスをしてもらった。大辻さんは振り返る。「約1万4000人が生きるために臓器移植を待っている。一方で臓器の提供件数は例年100件強で、間に合わず亡くなる人も多い。その背景に臓器移植の意思表示者数の少なさがあるのだと分かっ…

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倉岡 一樹

東京地方部記者

1977年生まれ。早稲田大卒。2003年、毎日新聞社に入社。佐世保支局を振り出しに、福岡報道部、同運動グループ、川崎支局、東京運動部、中部本社スポーツグループなどを経て、19年4月から東京地方部。スポーツの取材歴(特にアマチュア野球)が長い。中学生の一人娘が生まれた時、初めての上司(佐世保支局長)からかけてもらった言葉「子どもは生きているだけでいいんだよ」を心の支えにしている。