現代フランス健康事情

「C'est la France」 コロナ禍のフランス

竹内真里・フランス在住ライター
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控えめな青い電飾がともされているリヨン2区の繁華街・レピュブリック通り=筆者撮影
控えめな青い電飾がともされているリヨン2区の繁華街・レピュブリック通り=筆者撮影

 「小雪」あたりからリヨンも気温が下がってきたが、暖かい日も多かった11月。フランス政府の新型コロナウイルス対策で、通常の店舗運営ができなくなった各地の商店の人たちが、「このままでは丸裸(無一文)にされてしまう」「政府に丸裸にされるぐらいなら、自分から裸になります」と、文字通りの行動で訴えるという出来事があった。店にはカメラマンが入り、撮影現場に早変わり。照明や背景紙、レフ板などの機材が設置され、メークやポージングをして撮影する様子はモデル気分を味わっているようで、一見楽しそうでもある。

 景観の良い場所で裸の商店仲間が男女大勢集まり、横断幕を広げる姿も報道された。「こうして話題をさらって注目されることによって、この措置がいかに商店経営者、従業員にとって厳しいか、社会によく伝わるはずです」と参加者らは話していた。なにもわざわざ裸にならなくても、と思うが、このようなアイデアを思いつき、賛同者が集まり、実行するフランス人の行動力に感心してしまう。

目の前の商品が買えない…

 隣国ドイツの報道機関も「不条理」とリポートしたフランスの感染予防対策。例えば、大型スーパーの書籍、おもちゃ、衣類コーナーなどには紅白のテープが張られ、「弊社のオンラインショッピングをご利用ください」と表示され、その場では直接購入できないようになっていた。「街の商店は閉鎖なのに、なぜ大型スーパーでは販売が許可されているのか。不平等だ」という指摘から、このような対処を余儀なくされていたようだ。すぐ目の前にあるのに買えない。売り場の店員にこの政府の措置をどう思うか尋ねると、プーッとため息をついて「C’est la France (フランスですからね=いかにもフランスらしい出来事に対してよく使われるフレーズ)」と一言で片づけた。

 一方で、本来は閉店の対象であるはずの近所の書店は…

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。