百年人生を生きる

朝活でコロナ感染も孤立も防ぐ

星野哲・ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員
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「朝活」の掃除で落ち葉を掃き集める参加者=東京都練馬区で筆者撮影
「朝活」の掃除で落ち葉を掃き集める参加者=東京都練馬区で筆者撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず医療崩壊も伝えられる中、重症化リスクの高い高齢者は自宅にこもる生活を続ける人が少なくない。だが、体を動かさない、会話もないでは、心身が衰えてしまう恐れがある。だからこそ、みんなで朝、外で活動しようと、コロナ禍で「朝活」を始めた高齢者たちがいる。平均年齢は80歳ほど。早起きの多い高齢者の生活リズムに合わせて毎朝、公園などの掃除をして交流する日々がすでに200日を超えた。コロナ禍の高齢者活動として、多くの場所で参考になりそうだ。

「食欲ない」「足腰が弱った」 接点失い悲鳴

 12月1日の朝、8時半過ぎ、東京都練馬区の光が丘団地の公園に明るい声が響いた。「コロナにかからず、認知症にならず、よく生きましょう!」。光が丘ボランティアの会会長の小山謙一さん(78)があいさつした。

 この日は16人が集まり、全員が背中に「光が丘」と書かれたおそろいの黄緑色のベストを羽織って、落ち葉がいっぱいの公園の掃除を始めた。最高齢は88歳の伊藤栄子さん。「一人で家にいたって寂しいだけ。朝早くから動いて、みんなといられるのは楽しい」

 渋田見千栄子さん(85)は「運動不足にならないように参加してます。友達も増えていくし、団地はきれいになるし。いいことばかり」と笑顔をみせる。

 朝活を始めたのは、緊急事態宣言まっただ中の5月1日。宣言を受け、自治体の介護予防事業はほぼ休止され、みんなが集ってカラオ…

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星野哲

ライター/立教大学社会デザイン研究所研究員

ほしの・さとし 1962年生まれ。元朝日新聞記者。30年ほど前、墓や葬儀の変化に関心を持って以降、終活関連全般、特にライフエンディングについて取材、研究を続けている。2016年に独立。立教大学大学院、東京墨田看護専門学校で教えるほか、各地で講演活動も続ける。「つながり」について考えるウエブサイト「集活ラボ」の企画・運営も手がける。著書に「遺贈寄付 最期のお金の活かし方」(2018年、幻冬舎)「『定年後』はお寺が居場所」(同、集英社新書)「終活難民-あなたは誰に送ってもらえますか」(2014年、平凡社新書)ほか。