私のがんが判明して、まず行ったことは「終活(しゅうかつ)」です。当時は体調も悪く、2~3カ月も持たない状況だと思ったので、亡くなった後のことを考えて急いで行動に移しました。インターネットで検索すると、終活とは「人生の終わりのための活動」の略で、自らの死を意識して、人生の最後を迎えるためのさまざまな準備や、そこに向けた人生の総括を意味する言葉とのことです。

借金も正直に伝える

 実は、私は母が亡くなった時、夫婦で「エンディングノート」を買いました。そこに書いてあることとは……。

1.自分自身に関すること

 つまり自分の履歴書みたいなものです。そして一番大事なのは預貯金や土地家屋などの財産のことです。私の場合は簡単で「妻に任せておきます」と書いてあります。最近ではクレジットカードやポイントカードも大事です。亡くなったときのためにIDやパスワードは記録しておいた方がよいでしょう。さらにカードにポイントがついていることがありますので、私は積極的に使うようにしています。

 借金のある方は正直に書いておかないと残された方に大きな迷惑になりますので、よろしくお願いします。親戚関係に関しても、ある程度書いておいたほうがよいと思います。「隠し子がいる」などはもってのほかですが、もしそういう事情があれば、後で家族が驚かないようにひそかに書いておくことも必要でしょう。

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。