人生の筋トレ術

中高年の歯みがきに潜む全身への疾患リスク

西川敦子・フリーライター
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 最近、歯みがき後の出血が気になっているシンイチさん。だんだんひどくなってきたうえ、なんだか歯肉も腫れているようだ。「虫歯かな?」。口をあけて調べてみたが、そんな様子はないし、第一痛みもない。このまま放置しておいていいのだろうか――。

2人に1人が持っている「歯周ポケット」

 口の中には健康維持に必要な善玉菌を含め、700種類以上、100億個以上もの細菌が生息している。とくに歯垢(しこう)は細菌のかたまりだ。なんと1gの100分の1の歯垢に1億個以上の細菌がいるという。このうち、歯周病を引き起こす細菌を歯周病菌と呼ぶ。歯周病菌が潜んでいるのは、おもに歯と歯ぐきの間の溝だ。酸素を嫌う歯周病菌にとっては格好のすみかであり、エサの宝庫だからである。

 国立長寿医療研究センター口腔疾患研究部部長の松下健二氏は次のように説明する。

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西川敦子

フリーライター

にしかわ・あつこ 1967年生まれ。鎌倉市出身。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクションなどを経て、2001年から執筆活動。雑誌、ウエブ媒体などで、働き方や人事・組織の問題、経営学などをテーマに取材を続ける。著書に「ワーキングうつ」「みんなでひとり暮らし 大人のためのシェアハウス案内」(ダイヤモンド社)など。