食卓を囲むデンマークの人たち=筆者撮影
食卓を囲むデンマークの人たち=筆者撮影

 新型コロナウイルス感染の「第3波」が来ていますね。再び外出できずに、フラストレーションがたまっていませんか。デンマークでも同じように外出などが容易ではなく、せっかくのクリスマスシーズンが台無しだったようです。こんな時は、食事の大切さを痛感しますね。おいしいものを家で食べることは、心を癒やしてくれます。

 その地域で暮らし続けるために、食事は大きな意味を持ちます。年を取ろうが、男であろうが女であろうが、国が変わろうが、食欲は人間の3大欲求のひとつであり、誰もが食べることは好きなはずです。

 そこで今回は、デンマークの食事についてご紹介します。日本と少々異なるのは、主食です。主食とは、その国の食事で主体となる食べ物です。国や地域によって、米、パン(小麦)、トウモロコシなど、さまざまです。日本は米が主食といわれますが、パンや麺類も主食の一角を占めています。流通や情報の発達によって、食材も多様化が進んでおり、多くの国で、主食は必ずしも1種類だけとはいえなくなっています。

昔ながらの主食は「黒パンとジャガイモ」

 「それでは、デンマークは」というと、昔ながらの主食は黒パンとジャガイモです。黒パンとは、ライ麦から作るパンの通称です。小麦から作る白いパンと比較して、色が黒いため、そう呼ばれます。原料のライ麦は、寒冷地でも栽培できるため、北欧や東欧では黒パンが昔から主食となっています。

 「昔は毎日、ライ麦パンをオーブン…

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銭本隆行

日本医療大学認知症研究所研究員

ぜにもと・たかゆき 1968年広島市生まれ、福岡市育ち。51歳。早稲田大学政治経済学部在学中にヨーロッパを放浪。そのときにデンマークと出会う。大学卒業後、時事通信社、産経新聞社で、11年間の記者生活を送る。2006年にデンマークへ渡り、デンマーク独自の学校制度「国民高等学校」であるノアフュンス・ホイスコーレの短期研修部門「日欧文化交流学院」の学院長を務めた。全寮制の同校で知的障害者のデンマーク人らと共に暮らし、日本からの福祉、教育、医療分野に関する研修を受け入れながら、デンマークと日本との交流を行ってきた。2010年にオーデンセペダゴー大学で教鞭を執り、2013年にはデンマークの認知症コーディネーター教育を受けた。  2015年末に日本に帰国し、2016年3月に名古屋市の日本福祉大通信制大学院で認知症ケアシステムに関する修士号を取得し、同年、福岡市の精神障害者の生活訓練事業所の設立・運営に携わる。現在は札幌市の日本医療大学認知症研究所と名古屋市の日本福祉大学大学院博士後期課程に在籍しながら地域包括ケアシステムに関する研究を進めている。ノーマライゼーション理念の提唱者であるデンマーク人の故N.E.バンクミケルセンにちなむN.E.バンクミケルセン記念財団理事も務める。