在宅医療をテーマにした「おひとりさまでも最期まで在宅」(築地書館)という本を出したことで、友人・知人から、在宅医療についての問い合わせがときおり入ります。

 昨年も、東京都内に住む友人の友里恵さん(仮名)から相談がありました。夫を5年前に亡くしたあと、元気にひとり暮らしをしていた87歳のお母さんが、半年前に転倒して尻もちをつき、腰椎(ようつい)に圧迫骨折を起こしたそうです。友里恵さんが手伝って要介護認定を受け、ヘルパーによる訪問介護サービスが入るようになりました。それに加えて、最近、通院が困難になってきたので、訪問診療の導入を考えてみたいというのです。

 本人や家族が訪問診療の導入を考えるのは、これまで通っていた病院や診療所の外来に通院できなくなったときと、入院していた病院から退院したときです。今回はまず、「外来から在宅へ切り替える場合の訪問診療」について取り上げます。

この記事は有料記事です。

残り2777文字(全文3166文字)

中澤まゆみ

ノンフィクションライター

なかざわ・まゆみ 1949年長野県生まれ。雑誌編集者を経てライターに。人物インタビュー、ルポルタージュを書くかたわら、アジア、アフリカ、アメリカに取材。「ユリ―日系二世 NYハーレムに生きる」(文芸春秋)などを出版。その後、自らの介護体験を契機に医療・介護・福祉・高齢者問題にテーマを移す。全国で講演活動を続けるほか、東京都世田谷区でシンポジウムや講座を開催。住民を含めた多職種連携のケアコミュニティ「せたカフェ」主宰。近著に『おひとりさまでも最期まで在宅』『おひとりさまの終の住みか』『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(いずれも築地書館)など。