百寿者に学ぶ バランス健康術!

コロナ禍 百寿者に学ぼう!

米井嘉一・同志社大学教授
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 「With or After コロナの時代」の新年を迎えました。私たちはどう生きていけばいいのでしょうか? 百寿者の候補たちはどのように過ごしているでしょうか? 何かの参考になるかと思い、情報を集めてみました。

 「統計学的にこのような方が多い」「科学的にこのような特徴がある」といった情報ではない点はご容赦ください。「このような事例がありました」といった、医学論文では「症例報告」というカテゴリーに該当します。

 大規模研究を基にした医学的エビデンスは当然、尊重すべきです。これはEBM(Evidence Based Medicine)と呼ばれ、重要な考え方です。一方、臨床の現場では一人一人の患者と向き合い、しっかりと患者の病歴を聞くことも大切です。患者の語る物語が大規模データと相反する場合もあります。数多くの例外が世の中には存在するのです。この考え方はNBM(Narrative Based Medicine)と言います。私は、2017年に105歳で亡くなられた日野原重明先生(1911年生まれ)にNBMについて伝授されました。日野原氏は104歳に至るまで現役医師として従事しました。百寿者の代表的存在です。

 「木を見て、森を見ず」ということわざは、細かい部分にこだわり過ぎて、全体像を把握していないことを指す警句です。しかし、一本一本の木々や草花を慈しむ気持ちも大切なのです。

一本一本の草花の話を

 これから紹介する事例は、一本一本の草花の話だと思って聞いてください。

 現在62歳の男性は、少し危機感を抱いていました。この例は私のことです(58年生まれ)。

 女優の吉永小…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。