
新型コロナが収束することなく、新年を迎えました。昨年1年間の国内における新型コロナウイルスの感染者数は約23万人、死者は約3500人でした。しかし、実は、昨年の死者の総数は一昨年と比べて増えているわけではありません。交通事故や他の感染症による死亡が減ったため、コロナによる死亡を相殺した形です。
一方、日本では毎年、100万人以上が新たにがんと診断され、38万人ほどが、がんで亡くなっています。しかも、がん患者はこれからも増え続けると予想されています。国立がん研究センターの予測によると、今後15~20年で、男性で1割以上、女性で3割近く増加すると見込まれています。
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東大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授
1985年東京大医学部卒。スイス Paul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、同大医学部付属病院放射線科助手などを経て、2021年4月から同大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。同病院放射線治療部門長も兼任している。がん対策推進協議会の委員や、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」議長、がん教育検討委員会の委員などを務めた。著書に「ドクター中川の〝がんを知る〟」(毎日新聞出版)、「がん専門医が、がんになって分かった大切なこと」(海竜社)、「知っておきたい『がん講座』 リスクを減らす行動学」(日本経済新聞出版社)などがある。
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