新型コロナウイルス感染症の流行は、がん患者だけではなく、その家族にも影響を及ぼしている。抗がん剤治療をする患者やその家族への接し方について研究している東京医科歯科大の今津陽子准教授に、新型コロナの流行下で患者に対し家族ができることや、家族が感じるストレスなどについて聞いた。【聞き手 くらし医療部・小川祐希】
――新型コロナの流行で、不安に思うがん患者も多いと思います。家族にはどんなことができるでしょうか。
がん患者の不安を解消する場として、患者同士が集まって治療や生活の悩みを打ち明け合う患者会が、大きな役目を果たしてきました。新型コロナの流行で会合を開くことが難しくなり、患者の中には誰かに相談したくてもできないでいる人もいます。
最近では、オンラインで会合を開く患者会が増えています。また、全国のがん診療連携拠点病院に設置されているがん相談支援センターの中にも、オンラインで再開した施設があります。オンラインだと顔を見て話せるので、患者にとって相談しやすいようです。患者が高齢の場合、インターネットの操作に慣れていないことがあるので、家族はオンラインでの参加方法を調べたり、ネットの設定をしてあげたりするのがよいでしょう。
また、治療をしながら旅行に行ったり、外出して友人と会ったりしてストレスを解消している患者もいます。ところが、新型コロナの流行でそういった楽しみが奪われてしまいました。代わりのストレス発散方法を家族が患者と一緒になって考えるのも、大きな支えになるのではないでしょうか。
感染リスクより大き…
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