医療プレミア特集

「本当に死にたい人はいない」 自殺予防に取り組む

医療プレミア編集部
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東尋坊でパトロールするNPO法人「心に響く文集・編集局」代表の茂幸雄さん=福井県坂井市で2017年11月11日、小関勉撮影
東尋坊でパトロールするNPO法人「心に響く文集・編集局」代表の茂幸雄さん=福井県坂井市で2017年11月11日、小関勉撮影

 新型コロナウイルス禍の2020年。厚生労働省が22日に発表した自殺者数の速報値では全国で2万919人と、前年比で750人(3.7%)の増加。前年同月比(12月)では200人増えた。景勝地・東尋坊(福井県坂井市)で04年、自殺予防に取り組むNPO法人「心に響く文集・編集局」を立ち上げた茂幸雄理事長(76)に、保護された人の状況や今後の対応などについて聞いた。【くらし医療部・村田拓也】

Q:20年の活動を振り返り、保護された人の傾向は。

茂理事長:昨年は33人を保護しました。17都道府県から来ていて、関東地方が多く3分の1以上を占めました。全体の8割ほどが男性で、その3分の2ほどが20~40代です。緊急事態宣言が出た昨年4~5月は東尋坊が閉鎖されたため、4月が1人で5月はいませんでした。20年は通年では増えると思います。

 阪神大震災が発生した1995年は、自殺者が増えると危惧されました。その年は例年とあまり変わらなかったものの、数年後には1.5倍ほどになったことがありました。東日本大震災が発生した11年も自殺者が増えるのではないかと思われました。しかし、すでに自殺対策基本法が施行(06年)され、対策が取れていたからか、それほど増えませんでした。

「コロナ」で苦境に立たされた人も

Q:保護された人の中で、新型コロナの感染拡大の影響を受けた人はいましたか。

A:「インターネットカフェにいたが、コロナの影響で閉め出されてきた」という若い男性がいました。また、非正規雇用で働いていた中年の男性は「職を失い、就職難でアパート代も払えなくなった」と。中には「コロナでずっと家にこもりきりになるから夫婦仲がギクシャクするよ…

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