実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ それでも若者は恋をしよう

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
  • 文字
  • 印刷
 
 

 「新型コロナはただの風邪」と言って、緊急事態宣言に反対する人たちがよく口にする言葉に「経済を回せ」というものがあります。外出が制限され店舗が閉まれば物やサービスが売れず、失業する人が増え、その結果うつ病がまん延し、自殺者も増える。コロナで死ななかったとしても自殺で命が奪われるなら本末転倒ではないか、というものです。また、高齢者を中心に診ている医療者からは「高齢者が自宅で引きこもると筋肉や骨が衰えロコモティブシンドローム(からだの運動機能が低下した状態)が進行する。さらに認知機能も低下する。定期薬が切れているのに医療機関受診をためらうようになれば、持病が悪化して寿命が縮まる」といった声も聞かれます。

 こういう意見はよく分かるのですが、かといってすべての制限をなくして元通りの生活に戻ってしまえば、感染者・死亡者が急増するのは間違いありません。異なる考えの人に対しては、いがみ合うのではなく、互いの意見に耳を傾けて対話をすべきだということを過去のコラム「新型コロナ 『脅威派』と『軽症派』は学び合って」で述べました。

この記事は有料記事です。

残り3023文字(全文3484文字)

谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。