医療プレミア特集

難病の子も安心して遊べるおもちゃ完成

医療プレミア編集部
  • 文字
  • 印刷
昨年12月、東京おもちゃ美術館であった施設への贈呈式で、難病の子らにおもちゃが披露された=日本財団提供
昨年12月、東京おもちゃ美術館であった施設への贈呈式で、難病の子らにおもちゃが披露された=日本財団提供

 重い病気の子どもにもおもちゃで遊ばせたい――。医療的ケアが必要な子でも安心して遊べるおもちゃ約50種が入ったセット「あそびのむし」が完成し、全国の病院や療育施設などに配られている。考案者の一人、東京おもちゃ美術館(東京都新宿区)の石井今日子副館長は「重い病気や障害があっても子どもの心は自由。時がたつのも忘れるくらいあそびに夢中になって、『あそびのむし』と言われるくらい楽しんでほしい」と話す。どんなおもちゃなんだろうか――。【東京地方部・賀川智子】

わが子と遊ぶ余裕のない医療的ケア児のママ

 きっかけは3年前、同美術館で開かれた医療的ケア児ら難病の子どもと家族向けのイベントに参加したママの声だった。

 「自分の子どもと遊べるなんて知らなかった」

 ママは日々の子どものケアに追われて心身共に疲弊し、わが子と一緒に遊ぶ余裕すらなかったのだ。石井副館長は思ったという。

 「難病の子とその家族こそ遊ぶことが大切。短い時間でも、楽しく過ごすためのおもちゃがあれば」

 石井副館長はイベントを支援している日本財団(東京)のスタッフ、中嶋弓子さんと一緒におもちゃセットのコーディネートを思い立ち、2019年に制作プロジェクトがスタートした。

ママへの聞き取りも おもちゃの効果に期待感

 企画・制作には日本財団の難病児支援の助成金を活用した。当事者の声を反映するため、医療的ケア児らと向き合うママたちへの聞き取りもした。

 その結果、ママたちは「おままごと」のようなオーソドックスなおもちゃは選ばず、「この子の右手が動くように」という「結果」や「効果」が出るような、子どもの療育を目的としたグッズを与える傾向があることが分かった。

 保育園や子育て支援センターなどで長年勤務した経験がある石井副館長はイメージを膨らませた。

 「本来、遊びは障害の有無にかかわらずもっと自由なもの。結果や目的にとらわれる必要はないのでは」

 その後、難病の子とその家族、子育てを研究する大学…

この記事は有料記事です。

残り1600文字(全文2425文字)

医療プレミア編集部

毎日新聞医療プレミア編集部は、国内外の医師、研究者、ジャーナリストとのネットワークを生かし、日々の生活に役立ち、知的好奇心を刺激する医療・健康情報をお届けします。