医療の本音

病院経営 かなめは人材育成

松本尚・日本医科大学救急医学 教授
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 新型コロナウイルス感染症によって経営状態が厳しくなったクリニックや病院が多いと聞きます。昨年4~5月に政府が出した緊急事態宣言では、患者の受診行動が抑制されました。宣言の解除後も病院での感染リスクを考えて受診控えが続き、さほど必要でもない受診が多かったことに気づいた人が本当に必要な医療機関にだけアクセスを心がけたからかもしれません。

 一方、クリニックや病院としては、人件費や医療資材費、施設維持費などの支出があるため、患者が減ったことによる医療収入の落ち込みを取り戻さなければなりません。診断・治療に対する対価、すなわち診療報酬は公定価格として国に管理されているので、診療単価が高く設定されている重症度の高い疾病を診療するか、多くの患者を診る以外に収入を増やす方法はありません。しかし、一般企業と違って自分のクリニックや病院の宣伝は…

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松本尚

日本医科大学救急医学 教授

まつもと・ひさし 1962年生まれ。1987年金沢大医学部卒業。金沢大医学部附属病院 救急部・集中治療部講師、日本医科大救急医学准教授などを経て2014年4月から現職。日本医科大学千葉北総病院救命救急センター長であり、印旛地域救急業務メディカルコントロール協議会会長などを務めている。専門は救急・外傷外科学、救急医学、災害医学、消化器外科学、経営管理学。