デンマークでは、仕事帰りに飲むことはほとんどないが、パーティーはよく開かれる。参加した未成年のグラスにワインなど酒類がつがれることも=筆者撮影
デンマークでは、仕事帰りに飲むことはほとんどないが、パーティーはよく開かれる。参加した未成年のグラスにワインなど酒類がつがれることも=筆者撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、飲食店に行ったり、宴会に出席したりすることがとても減ってしまったのではないでしょうか。とはいえ、人によって「宅飲み」と称して、逆に酒量が増えたという話も聞きますが、みなさんはいかがですか?

缶ビールが約50円

 デンマークでも前回書いたように、新型コロナの影響で店での飲食や、5人以上の集まりは禁じられているため、現地在住の知人は「外出もできず、夫婦で毎日自宅で晩酌しているよ」と言っていました。

 そもそもデンマークはかなり飲酒に寛容な国です。どこのスーパーマーケットなどでも購入することができます。安いもので、一般的なビール1本(330ml)が4kr(デンマーククローネ、約72円)前後。全体的に物価が高いデンマークとしては、とても安いです。しかもこの値段には瓶・缶代1kr(約18円)が含まれており、飲んだ後でスーパーに設置されている瓶・缶回収機に入れると1krが返却されます。つまり3kr(約54円)程度で1本飲めるということです。このため、水代わりにビールを飲むようなお国柄でもあり、今もランチの時にビールを飲むことは珍しくありません。筆者がデンマーク在住中に大型バスの免許を取得するために自動車教習所に通っていた時、昼食後に同乗した教官が赤ら顔で酒臭い息を吐きながら指示していたのには少々あきれましたが……。

他の北欧諸国は「準禁酒」

 一方…

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銭本隆行

日本医療大学認知症研究所研究員

ぜにもと・たかゆき 1968年広島市生まれ、福岡市育ち。51歳。早稲田大学政治経済学部在学中にヨーロッパを放浪。そのときにデンマークと出会う。大学卒業後、時事通信社、産経新聞社で、11年間の記者生活を送る。2006年にデンマークへ渡り、デンマーク独自の学校制度「国民高等学校」であるノアフュンス・ホイスコーレの短期研修部門「日欧文化交流学院」の学院長を務めた。全寮制の同校で知的障害者のデンマーク人らと共に暮らし、日本からの福祉、教育、医療分野に関する研修を受け入れながら、デンマークと日本との交流を行ってきた。2010年にオーデンセペダゴー大学で教鞭を執り、2013年にはデンマークの認知症コーディネーター教育を受けた。  2015年末に日本に帰国し、2016年3月に名古屋市の日本福祉大通信制大学院で認知症ケアシステムに関する修士号を取得し、同年、福岡市の精神障害者の生活訓練事業所の設立・運営に携わる。現在は札幌市の日本医療大学認知症研究所と名古屋市の日本福祉大学大学院博士後期課程に在籍しながら地域包括ケアシステムに関する研究を進めている。ノーマライゼーション理念の提唱者であるデンマーク人の故N.E.バンクミケルセンにちなむN.E.バンクミケルセン記念財団理事も務める。