百寿者に学ぶ バランス健康術!

新型コロナ ワクチンの疑問にお答えします

米井嘉一・同志社大学教授
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 新型コロナウイルスの感染流行が始まってから1年が経過しました。第2波や第3波の訪れ、変異株の出現といった不安なニュースにこと欠かないのが現状ではないでしょうか。

 その中で、ワクチン接種といった新たな対策が導入されようとしています。期待している方々も多くいらっしゃいます。私自身も期待を寄せています。一方、短期間で開発されたワクチンの安全性はどうなのかと不安を抱いている方々もいらっしゃるでしょう。

 多くの一般の方々はワクチンの導入を政府の行政サービスとして受け入れようしているように思えます。不安視をしている方々の中には、医療関係者や科学者といった免疫学やワクチンに関する知識をもっている方もいるようです。

不安の原因は「情報不足」

 私自身もある程度のワクチンに関する知識があるので、疑問や不安に思った事項があります。知人から相談を受けたこともありました。不安の原因は、情報不足だったようです。情報がしっかり開示されれば、不安は小さくなるでしょう。今回のワクチンについて、どのような疑問があったのか、それに対する情報について述べたいと思います。

 まず、前回にも登場した「木を見て森を見ず」ということわざに再び登場いただきましょう。

 細かいところばかりに目がいってしまい、全体を把握するのを怠ってしまうことへの警鐘です。ワクチン接種の役割は、集団免疫を形成して、「森」全体を守るための強力な手段といえるでしょう。集団の多く(7割から9割と諸説あります)に免疫力をつけることで集団免疫が成立するといわれています。森を守ることは公衆衛生学の使命です。ワクチン接種は、その目的のための重要な行政サービスに位置づけられています。

 世の中にはいろいろな森がありますが、どの森からワクチン接種を始めるべきでしょうか?

 それには、さまざまな意見があるでしょう。ワクチン接種の順番としては、免疫力の弱い方々を優先すべきだと私は思います。特に高齢者が多数入居する老健施設とその…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。