ボストン発 ウェルエイジング実践術

新型コロナ 患者2800万人でも崩壊しない米国医療

大西睦子・内科医
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2020年4月、コンベンションセンターを転用して設置工事中の「ボストンホープ医療センター」=米ハーバード大のウェブサイトから
2020年4月、コンベンションセンターを転用して設置工事中の「ボストンホープ医療センター」=米ハーバード大のウェブサイトから

 米国では、人口あたりで日本の数十倍、多い日は1日30万人もの新型コロナウイルスの感染者が出ています。一方、人口当たりの医師数は日本とほぼ同様です(※注)。その米国が、去年の春ごろと違って、医療崩壊をまぬがれているようにみえるのはなぜでしょうか。裏返せば、日本はなぜ、米国の数%の患者にも対応し切れていないのでしょうか。

 私の住んでいる米マサチューセッツ州は、人口が東京都の半分ほどで、約690万人です。大学など教育機関が多く、四つの医学部があります。去年の春は新型コロナウイルスで大打撃を受けました。昨年11月から第2波が襲来し、今年1月のピーク時には1日6000人超、2月になっても1日2000人前後の感染者が出ていますが、医療崩壊の懸念はありません。マサチューセッツ州から、現地の状況をお伝えします。

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大西睦子

内科医

おおにし・むつこ 内科医師、米国ボストン在住、医学博士。東京女子医科大学卒業後、同血液内科入局。国立がんセンター、東京大学医学部付属病院血液・腫瘍内科にて造血幹細胞移植の臨床研究に従事。2007年4月より、ボストンのダナ・ファーバー癌研究所に留学し、ライフスタイルや食生活と病気の発生を疫学的に研究。08年4月から13年12月末まで、ハーバード大学で、肥満や老化などに関する研究に従事。ハーバード大学学部長賞を2度授与。現在、星槎グループ医療・教育未来創生研究所ボストン支部の研究員として、日米共同研究を進めている。著書に、「カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側」(ダイヤモンド社)、「『カロリーゼロ』はかえって太る!」(講談社+α新書)、「健康でいたければ『それ』は食べるな」(朝日新聞出版)。