私の前立腺がん、そして骨への全身転移が判明してから約1年になります。昨年の今ごろは「1~2カ月の間にこの世を去るのではないか」と思うくらい体調が悪かったのです。幸いにもホルモン療法の効果で、現在は普通の生活ができています。ただ、この治療もいつまで持続できるのか分かりませんので、日々、終活を怠らないようにしています。

若いころの夢を見た

 体調が悪く、「まもなく命が尽きるだろう」と思ったころ、とても奇妙な体験をしました。それは若いころの夢をよく見たのです。はじめは20歳代くらいの夢を何回か見ました。そしてそのうち10代後半の夢、10代前半の夢、そして幼いころの記憶に残っているような夢を見ました。奇妙なことに次第に若い時の記憶に移っていくのです。幼いころの記憶が夢に出てきたころから治療を開始しましたので、その後はそのような夢を見ることはありませんでした。

 私は、心霊現象やオカルト現象を全く信じないタイプです。そのため、体調の悪化とともに若いころの夢をたくさん見ることに大変驚き、「いよいよ死期も近い」と覚悟を決めました。ちょうど、小学校のころの夢を見ている時に私の前立腺がん・全身への骨の転移が判明したのです。

 一般にこのような体験を、臨死体験と呼ぶようです。臨死体験について調べてみました。欧米では臨死体験に興味を持つ医療関係者が多いのか、さまざまな論文が出ているようです。日本ではそのような研究は盛んではありませんが、立花隆さんが「臨死体験」を出版されています。出版の記事によりますと世界中の体験者・医師に取材し、構想、取材、執筆…

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大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。