健康をつくる栄養学のキホン

カット野菜 安全性・栄養素は

成田崇信・管理栄養士
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 新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で、リモートワークが増え、外食の機会が減り、家庭で食事を済ますことが多くなっているようです。平日などイチから料理を作るのは大変な時に便利なのが、スーパーやコンビニなどで売られているカット野菜です。カット野菜は持ち帰りの弁当や総菜にも使われており、利用する機会は今後も増えていくと考えられます。

 その一方「カット野菜には鮮度を保つため大量の薬品が使われ危険である」「洗浄と消毒で栄養素が壊れ、流れ出てしまうため栄養が残っていない」といううわさが出回っているようです。

 カット野菜は安全なのか、本当に栄養が失われてしまっているのかを検証してみました。

殺菌処理が求められるカット野菜

 カット野菜など生で販売される野菜の加工品は、食品衛生上の理由で殺菌処理を行うことが求められています。これは野菜に付着している細菌など有害な微生物を除去し、食中毒予防を目的に行われているものです。生鮮野菜にはO157などの死亡事例のある腸管出血性大腸菌が付着していることがあり、適切な殺菌処理をすることで野菜を安全に食べることができるようになります。薬品の使用は見た目を良くするためではなく、安全を目的に行うものです。過剰な使用は食味を損なうことにもなり、必要最小限の使用にとどまっています。「薬品を大量に使っているから危険」というのは完全なデマと言えるでしょう。

 市販のカット野菜の鮮度保持については、薬品よりも温度管理と包装技術が貢献しています。カット野菜の製造過程では野菜の鮮度保持のため、最適な温度に室温…

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成田崇信

管理栄養士

なりた・たかのぶ 1975年東京生まれ。社会福祉法人で管理栄養士の仕事をするかたわら、主にブログ「とらねこ日誌」やSNSなどインターネット上で食と健康関連の情報を発信している。栄養学の妥当な知識に基づく食育書「新装版管理栄養士パパの親子の食育BOOK」(内外出版社)を執筆。共著に「各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」(メタモル出版)、監修として「子どもと野菜をなかよしにする図鑑 すごいぞ! やさいーズ」(オレンジページ)などに携わっている。