実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ 「社会の厳しさ」が感染を防ぐ?

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
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世界の新型コロナウイルスの新規感染者数(2021年2月15日~21日まで)を示した地図。最も色の濃い国や地域は人口10万人あたり300人超、最も色の薄い国は同0.01~10人=世界保健機関(WHO)のウェブサイトから
世界の新型コロナウイルスの新規感染者数(2021年2月15日~21日まで)を示した地図。最も色の濃い国や地域は人口10万人あたり300人超、最も色の薄い国は同0.01~10人=世界保健機関(WHO)のウェブサイトから

 新型コロナウイルスの感染率・重症化率が国によって異なっているのは明らかです。一貫して成功している国・地域としては台湾とニュージーランドがまず挙がるでしょう。世界流行の発端となった中国は、感染が始まって1年がたった今ではすでに、新型コロナを克服した国とされています。日本は一時は成功国として世界中のメディアで取り上げられましたが、「第3波」のあたりから雲行きが怪しくなり、現在は他の東アジア諸国の後塵(こうじん)を拝しています。米国、メキシコ、ブラジル、インド、イギリス、スペイン、イタリアなどが極めて深刻な状態であることは数字が示す通りです。

 一時、日本が感染率・重症化率を低く抑えていた頃、その要因は「ファクターX」と呼ばれていました。ファクターXの正体として当初期待されたBCGワクチンは現在では否定的にみられています。この連載では「真のファクターX」としていくつかの要因を挙げました(参考:「新型コロナ 『ファクターX』の正体は」)。

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谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト