賢い患者

知ってほしい「予期せぬ死亡」の調査制度

山口育子・認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」理事長
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 2015年10月から始まった「医療事故調査制度」が、昨年9月で丸5年たちました。これは「医療に起因した予期せぬ死亡の原因究明及び再発防止を図り、それによって医療の安全と医療の質の向上を図ること」を目的に始まった制度です。医療は不確実性と限界を抱えるものですから、どうしても「予期せぬ死亡」の起きることはあります。制度の趣旨は、そのような死亡例を報告してもらい、どのようなときに起きていて、どうすれば同じような死亡を避けることができるのか対策を講じようというものです。この制度で最も遅れているのが「国民への周知」です。「予期せぬ死亡」は(もちろん身近に起きないに越したことはありませんが)予期しないことですから、だれにとっても、ある日突然身のまわりで起きる可能性があるわけです。その時に医療事故調査制度を知っていると役に立ちます。そこで今回は、より多くの方に理解していただけるように、この制度を取りあげることにしました。

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山口育子

認定NPO法人「ささえあい医療人権センターCOML」理事長

やまぐち・いくこ 1965年、大阪市出身。89年大阪教育大卒業。92年秋から「ささえあい医療人権センターCOML(コムル)」のスタッフとして、患者からの医療に関する電話相談を受け、COMLの活動全般の運営に携わってきた。2002年から同専務理事兼事務局長、11年から理事長。著書に「賢い患者」(岩波書店、2018)