現代フランス健康事情

新型コロナ 加速し始めた仏のワクチン接種

竹内真里・フランス在住ライター
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春はすぐそこ。思わずコロナのことも忘れてしまいそうだ=筆者撮影
春はすぐそこ。思わずコロナのことも忘れてしまいそうだ=筆者撮影

 フランス・リヨンでも2月半ばごろから気温が上がり、3月のような陽気が続いた。草花が芽吹き、遠くから見ると桜に似たアーモンドの花などが咲き始めた。新型コロナウイルスの感染が確認されてから1年以上が経過。ある種の「慣れ」と、春が近づき気候もよくなってきたこともあり、人々の注意力が薄れつつあるようにも思える。

 ある日の「預かり保育」からの帰り道、小学生の娘がこう言った。「今日おやつの時、◯◯(係の人の名前)が、壇上にいる私たちにパンを投げて配ったんだよ。まるで動物園の動物みたいだった。うまくキャッチできなかった子は、床に落ちたのを拾って食べた。汚いよ。綿ぼこりもいっぱいあるし。でも『汚いからやだ』とか言う子はいなくて、みんな笑ってゲームみたいに面白がっていた」

 ちなみに、パンは日本のように個別包装されているわけではなく、むきだしだ。新型コロナをきっかけにフランス人の衛生観念もかなり変化したように思っていたが、意識をしないと、もともとの気質に戻るのかもしれない。

新型コロナで注目された「穴場」

 リヨンから車で2時間ほど走ると、森と湖の風景が出迎えてくれる。この地域は突出した観光スポットがないせいか、新型コロナ発生以前は、年間を通して訪れる人も少なかった。散策路では、夏のハイシーズンに行っても、中高年の夫婦や親子連れ、キャンピングカーでやってきたオランダ人のグループ数人とすれ違うぐらい。聞こえてくるのは、鳥のさえずりや木々のざわめく音や川の流れる音ぐらいで、とても静かなところだったのだ。

 しかし、この2月末、久しぶりにその散策路に行ってみて驚いた。いつ行ってもスペースがあった駐車場はいっぱいで、近くの道に長い縦列駐車ができている。

 ウオーキングを始めると、20代、30代とおぼしき人たちの姿が目立つ。他にも、以前は出くわすこともなかった森の散策とは無縁そうに見え…

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。