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「国は『こども省』創設し子育て無料化を」 明石市長に聞く/下

医療プレミア編集部
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オンラインでのインタビューに応じる兵庫県明石市の泉房穂市長=2021年2月16日、動画の画面から
オンラインでのインタビューに応じる兵庫県明石市の泉房穂市長=2021年2月16日、動画の画面から

 国の少子化対策は「根本的に間違いだ」。手厚い子育て施策を手がける兵庫県明石市の泉房穂市長(57)は、国や政治に子育ての発想転換を訴えている。子どもは社会の宝、子育て費用を社会で負担し、国の子ども関係の予算や人員を何倍に拡充し――と。しかし、道のりは簡単ではない。子育て施策の充実を何が阻んでいるのだろうか。「上」に続いて、泉市長に聞いた。【くらし医療部・原田啓之】

 ――国は2020年に、少子化社会対策大綱や新子育て安心プランを作りました。(高所得者の)児童手当を削って財源を作る手法には異論もあります。

 ◆論外です。根本的に間違っている発想が変わっていないので、話にならないです。

 日本社会は大家族や村社会によって、人々が助け合う「セーフティーネット」が張られていました。しかし、戦後の高度経済成長で完全に崩れ、核家族が多数を占める社会構造に変わりました。障害のある子どもやひとり親家庭など社会的に弱い立場の人たちに行政的支援が必要な社会に変わったわけです。にもかかわらず、江戸時代、明治政府のような、子どもや家族に振り向かない政治が続いているのです。その結果が、今の日本の少子化などにつながっていると私は思っています。

 ――具体的に、国は何をすべきですか。

 ◆発想の転換が一番大事です。「本来、親が子どもの面倒を見るべきで、どうしても面倒を見られない親についてだけ、行政などが最低限のことをすれば足りる」という発想が主流です。そうではなくて、子どもは、街のみんなの子、社会の宝、未来を作る。この発想の転換なんですよ。

 子どもに対する貧困施策は、最低限のものです。重要なのは、未来施策です。すべての子どもに対して、み…

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