医療プレミア特集

マインドフルネスに注目 アンチエイジング実践法

西田佐保子・毎日新聞 医療プレミア編集部
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 日本人の平均寿命(2016年)は、男性が80.98歳、女性が87.14歳ですが、介護の必要なく自立して日常生活を送ることのできる「健康寿命」は、男性が72.14歳、女性は74.79歳にとどまっています。コロナ禍で健康意識が高まる今こそ注目したいのが、加齢による体への負の現象を軽減し、健康寿命の延長を目指す「抗加齢医学(アンチエイジング医学)」です。「加齢は受精した瞬間から始まっています」と話す、日本抗加齢医学会の理事長で順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授の堀江重郎さんに、今日から取り組める“アンチエイジング実践法”について聞きました。

生活習慣病と酸化ストレスの関係

 生存時間が増えるにつれ、遺伝子はさまざまなダメージを受けます。たとえば、私たちは食事により栄養素を体内に取り入れ、細胞の中にあるミトコンドリアの酸化反応によりエネルギーを作り出します。この過程で副産物として発生するのが「活性酸素」です。

 鉄は酸化するとさびてしまいますが、体内でも同じ現象が起きます。過剰に発生した活性酸素により引き起こされる酸化ストレスは遺伝子を傷つけるのです。若いうちは、活性酸素の消去能力が強いものの、加齢により弱くなっていきます。この遺伝子の損傷が老化を促進します。

 糖尿病、肥満、高血圧などの生活習慣病は、酸化ストレスが高い状態です。逆に、酸化ストレスの抑制で、これらの疾患を予防できると考えられます。科学的に証明されている酸化ストレスを下げる方法は、食事の量を腹八分とするカロリー制限、あるいはファスティング(たまに断食・絶食すること)、運動の習慣化、そして近年注目されているのが、グーグルやゴールドマン・サックスなど米国の企業が社内研修に導入していることでも話題のメンタルケア「マインドフルネス」です。

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西田佐保子

毎日新聞 医療プレミア編集部

にしだ・さほこ 1974年東京生まれ。 2014年11月、デジタルメディア局に配属。20年12月より現職。興味のあるテーマ:認知症、予防医療、ターミナルケア。