新型コロナウイルスの感染拡大で自宅で過ごす時間が増え、運動不足を感じている人は多い。体を動かさないことによる健康への影響や、筋トレを持続させるコツについて、NHKのテレビ番組「みんなで筋肉体操」でおなじみ、近畿大生物理工学部の谷本道哉准教授(48)に話を聞いた。【くらし医療部・石田奈津子】
――新型コロナウイルスが日本で拡大してから、1年以上がたちました。外出自粛による筋力低下や健康状態への影響を感じますか。
◆昨春の緊急事態宣言の頃は、運動不足への危機感をとても持っていました。「ステイホーム」という言葉が浸透して、「家から一歩も出てはいけない」と誤解している人が多くいました。大学のオンライン授業で学生と話したときに、「近所の人に見つからないよう、外の空気を吸いたい時にはこっそりベランダに出ている」という学生もいました。
自治体が公園を封鎖したのも問題でした。ただ行けなくなるだけでなく、公園に行くことはだめな行為なのだという刷り込みになります。「不要不急」という言葉もありますが、公園に行くことは不要不急ではありません。「密になるところは極力控えてください」などの言い方がベターだと思います。
昨年春の状態から、少しずつ世間が落ち着いていって、外に出る人が増えてきました。新型コロナの感染拡大前に比べて、明らかにウオーキングする人が増え、家で筋トレする人も増えました。
通勤していた人がテレワークになったり、外出する機会が減ったりして、生活は大きく変わりました。これまで通勤や買い物など生活活動が一つの運動だったのが、その機会が減って、運動不足を感じるようになったのです。「運動を一切していなかった人が運動…
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医療プレミア編集部
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