無難に生きる方法論

高齢になったときの家族の負担を考えよう

石蔵文信・大阪大学招へい教授
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 2019年、福井県で義理の父母と夫を殺害したとして71歳の妻が逮捕されました。実際は3人の介護を一手に引き受けていた妻が介護疲れで無理心中を図ったのですが、自分だけ生き残ってしまったというのが本当のようです。3人を殺害すれば、通常は死刑もあり得るのですが、懲役18年の判決が出ました。しかし、この事件には同情すべき点が多く、義弟も処罰を望んでいないようです。

長寿の負担、若い人にも

 長寿は好ましいように思いますが、どうしても最後は介護など人の世話になることが必要となります。今回の場合は義理の両親が超高齢、夫も病気で3人の介護を1人で引き受けるという、想像を絶する状態にあったと思います。このような場合はできれば介護施設にお世話になるのが良い方法だと思いますが、どのような事情か分かりませんが自宅で介護を続けていたようです。高齢になってくると多くの方は「家族に迷惑をかけたくない」と言いますが、その半面「施設などには入りたくない」とわがままを言うこともあります。

 同じような介護の負担を強いられて、うつ状態になっている若い人…

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石蔵文信

大阪大学招へい教授

いしくら・ふみのぶ 1955年京都生まれ。三重大学医学部卒業後、国立循環器病センター医師、大阪厚生年金病院内科医長、大阪警察病院循環器科医長、米国メイヨー・クリニック・リサーチフェロー、大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻准教授などを経て、2013年4月から17年3月まで大阪樟蔭女子大学教授、17年4月から大阪大学人間科学研究科未来共創センター招へい教授。循環器内科が専門だが、早くから心療内科の領域も手がけ、特に中高年のメンタルケア、うつ病治療に積極的に取り組む。01年には全国でも先駆けとなる「男性更年期外来」を大阪市内で開設、性機能障害の治療も専門的に行う(眼科イシクラクリニック)。夫の言動への不平や不満がストレスとなって妻の体に不調が生じる状態を「夫源病」と命名し、話題を呼ぶ。また60歳を過ぎて初めて包丁を持つ男性のための「男のええ加減料理」の提唱、自転車をこいで発電しエネルギー源とする可能性を探る「日本原始力発電所協会」の設立など、ジャンルを超えたユニークな活動で知られる。「妻の病気の9割は夫がつくる」「なぜ妻は、夫のやることなすこと気に食わないのか エイリアン妻と共生するための15の戦略」など著書多数。