医療・健康Tips

聞こえているのに聞き取れない APD(聴覚情報処理障害)

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 雑音の多い場所などで人の話している言葉が聞き取りにくい場合、「APD(聴覚情報処理障害)」の可能性があります。聴力には異常がないため周囲に理解されにくく、日常生活でさまざまな困難に直面することも。APDの特徴と困難を軽減するための対策について解説します。

推定患者数は数十万人とも 

 APD(聴覚情報処理障害)は「Auditory Processing Disorder」の略で、「音としては聞こえるのに言葉として聞き取れない」というのが主な症状です。聴力には問題がないため、聴力検査では異常は認められません。国内の推定患者数は数十万人ともいわれ、症状に悩む人々がSNSなどで発信する機会は増えつつありますが、日本ではまだ耳鼻科医のなかでも十分に知られているとは言えない状況です。

 APDの原因は不明ですが、脳に何らかの損傷が生じたり、あるいは脳自体に損傷はなくても脳機能に問題が生じていたりすることで、言葉が聞き取りにくくなっている可能性が指摘されています。また、発達障害の人の半数にAPDがみられるとの研究もあり、集中力の欠如などから言葉の聞き取りに困難が生じている可能性も考えられます。環境を整えることで聞こえの状態を改善することは可能ですが、現時点ではAPDの治療法は見つ…

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