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子どもの急性弛緩性まひとは

 急性弛緩(しかん)性麻痺(まひ)は、ウイルスなどの病原体の感染により、急に筋力が衰え、筋萎縮などが起こり、手足がだらんと脱力する弛緩性のまひを起こす病気の総称です。まひは後遺症として残る場合もあるので深刻です。現在では、15歳未満の症例はすべて届け出ることが義務づけられています。

ポリオに似たまひを起こす原因不明の病気

 かつては、子どもの手足にまひが残る病気として「ポリオ(急性灰白髄炎)」が恐れられていました。ポリオも急性弛緩性麻痺の一つですが、ポリオワクチンの普及により、日本ではすでに根絶され、世界でもほとんど見られない病気になっています。ところが近年、ポリオに似たまひを起こす、原因不明の病気が流行しているのです。

 急性弛緩性麻痺が注目される発端となったのは、2014年、アメリカでの大流行です。このとき、ぜんそくのような激しい咳を伴うかぜが流行した一方で、まひを発症した子どもの患者が多数報告されました。このまひは脊髄炎によるものだったため、急性弛緩性麻痺の一つとして「急性弛緩性脊髄炎(AFM)」と名づけられました。

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