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薬局をかかりつけにする利点、飛び込みの利点

高垣育・薬剤師ライター
 
 

 薬局に期待する役割は、人によってさまざまなようです。昨年秋に内閣府が行った「薬局の利用に関する世論調査」によると、「かかりつけ薬剤師・薬局を決めている」が7.6%、「薬局は一つに決めているが、かかりつけ薬剤師は決めていない」が18.4%で、かかりつけ薬局を決めている人の割合は合わせて26.0%でした。一方「病院や診療所ごとにその近くにある薬局に行く」人の割合は57.7%で、若い世代ほど割合が高い傾向がみられました(この調査は全国の18歳以上の人3000人が対象で、有効回収数は1944人でした)。仕事や学校が忙しい人や、病院に行って薬局で薬をもらうのは1年に1度あるかどうか、という人は、とにかく早く薬がもらえて利便性に優れていることが大事かもしれません。一方で、薬に関する「困った」があるときに顔見知りの薬局があり、気軽に相談できる環境があれば、そのおかげで問題解決に結びつき、生活の質向上につながる場合があります。そこで今回は、気軽に立ち寄れる薬局を作っておくと安心なのはどのような人か、またどのようなメリットが得られるのかについて具体例を交えて紹介します。

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薬剤師ライター

たかがき・いく 1978年福岡県生まれ。2001年薬剤師免許を取得。調剤薬局、医療専門広告代理店などの勤務を経て、12年にフリーランスライターとして独立。毎週100人ほどの患者と対話する薬剤師とライターのパラレルキャリアを続けている。15年に愛犬のゴールデンレトリバーの介護体験をもとに書いた実用書「犬の介護に役立つ本」(山と渓谷社)を出版。人だけではなく動物の医療、介護、健康に関わる取材・ライティングも行い、さまざまな媒体に寄稿している。17年には国際中医専門員(国際中医師)の認定を受け、漢方への造詣も深い。