実践!感染症講義 -命を救う5分の知識-

新型コロナ ワクチン接種にはまだ課題が多い

谷口恭・太融寺町谷口医院院長
  • 文字
  • 印刷
新型コロナウイルスのワクチンを接種する医療従事者(左)=名古屋市中区の国立病院機構名古屋医療センターで2021年2月19日午後4時4分、兵藤公治撮影
新型コロナウイルスのワクチンを接種する医療従事者(左)=名古屋市中区の国立病院機構名古屋医療センターで2021年2月19日午後4時4分、兵藤公治撮影

 これまで対象者が医療者に限定されていた新型コロナウイルスワクチンの接種が、4月12日から高齢者にも開始されました。この政策は、接種できることになった高齢者からは歓迎されていますが、医療者からは不満の声が上がっています。すでに各メディアで報道されているように、コロナの患者さんを毎日のように診察している第一線の医師や看護師たちはまだ接種できていないからです。太融寺町谷口医院(以下「谷口医院」)のスタッフは近日接種できることになったのですが、地域によっては連休前後まで待たねばならないところもあると聞きます。

 では、医療者全員が「なんで自分たちより高齢者が先なんだ!」と不満の声を上げているのかというとそういうわけでもありません。先日、大阪府から私の元に無料通信アプリ「LINE」(ライン)で気になる通知がきました。そこには「4月5日に接種券付き予診票などを送付させていただいたところですが、現時点でLINE予約の空きが目立っております。※4月12日時点で、4月20日~5月7日までの予約率約20%程度」と書…

この記事は有料記事です。

残り3344文字(全文3798文字)

谷口恭

太融寺町谷口医院院長

たにぐち・やすし 1968年三重県上野市(現・伊賀市)生まれ。91年関西学院大学社会学部卒業。4年間の商社勤務を経た後、大阪市立大学医学部入学。研修医を終了後、タイ国のエイズホスピスで医療ボランティアに従事。同ホスピスでボランティア医師として活躍していた欧米の総合診療医(プライマリ・ケア医)に影響を受け、帰国後大阪市立大学医学部総合診療センターに所属。その後現職。大阪市立大学医学部附属病院総合診療センター非常勤講師、主にタイ国のエイズ孤児やエイズ患者を支援するNPO法人GINA(ジーナ)代表も務める。日本プライマリ・ケア連合学会指導医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。主な書籍に、「今そこにあるタイのエイズ日本のエイズ」(文芸社)、「偏差値40からの医学部再受験」(エール出版社)、「医学部六年間の真実」(エール出版社)など。太融寺町谷口医院ウェブサイト 無料メルマガ<谷口恭の「その質問にホンネで答えます」>を配信中。