解剖学者の養老孟司さん=東京都新宿区で2018年1月22日、中村琢磨撮影
解剖学者の養老孟司さん=東京都新宿区で2018年1月22日、中村琢磨撮影

 解剖学者の養老孟司先生は、私の東大医学部時代の恩師です。大学卒業後も親交が続いていて、今月、「養老先生、病院へ行く」(エクスナレッジ)という共著を出版しました。

 この本が生まれたのは、昨年6月に養老先生が東大病院に来院し、私が診察したことがきっかけです。診察の結果、養老先生は2週間入院しました。

 養老先生は「病院嫌い」で知られています。がん検診も受けたことがありません。しかし、今回はどうにも体調が悪く、病院に行かざるをえなかったといいます。

 診察の際、養老先生は1年で15キロもやせてしまったと言っていました。それを聞いて、まず疑ったのが、がん。次の可能性が糖尿病でした。

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中川 恵一

東大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1985年東京大医学部卒。スイス Paul Sherrer Instituteへ客員研究員として留学後、同大医学部付属病院放射線科助手などを経て、2021年4月から同大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。同病院放射線治療部門長も兼任している。がん対策推進協議会の委員や、厚生労働省の委託事業「がん対策推進企業アクション」議長、がん教育検討委員会の委員などを務めた。著書に「ドクター中川の〝がんを知る〟」(毎日新聞出版)、「がん専門医が、がんになって分かった大切なこと」(海竜社)、「知っておきたい『がん講座』 リスクを減らす行動学」(日本経済新聞出版社)などがある。