現代フランス健康事情

夏休みをにらみ? ワクチン接種が拡大

竹内真里・フランス在住ライター
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フランスで5月1日はスズランを贈る日。今年はオンラインで画像を送りあった=ナタリーさん提供
フランスで5月1日はスズランを贈る日。今年はオンラインで画像を送りあった=ナタリーさん提供

 フランスは新緑美しい5月に入った。1日はメーデー、労働者の祝日。スーパーマーケットなど店はお休みだ。その代わり、この日だけは誰でも路上で「スズラン」を販売してよいことになっている(花屋への影響を考え、一般人による販売が禁止されている自治体もある)。スズランを贈られた人には幸せが訪れるといわれ、白くかれんな花を手にする人を最も多く見られる一日だ。

 さて、そんな縁起がいい風習の日から始まった今月は、外出制限の緩和が始まっている。4段階に分けた計画の内容が発表された。

段階的緩和の日程と主なポイント

・5月3日

 他地域圏への移動が可能▽日中の外出証明は不要▽生活必需品を扱わない店舗は引き続き休業▽オンライン授業も並行しつつ中学・高校は人数制限をして登校再開

・5月19日

 外出制限の時間帯は午後9時から翌朝6時▽飲食店のテラス席は6人までで再開▽休業の商店再開▽美術館や博物館、映画館や劇場なども再開▽スポーツ施設再開

・6月9日

 テーブルに6人までで、飲食店の店内飲食が再開▽夜間の外出制限を午後11時から翌朝6時までに短縮▽テレワーク緩和▽「Pass Sanitaire(パスサニテール、衛生パス)」導入により、イベント会場や文化・スポーツ施設において5000人まで集客可能▽外国からの観光客の受け入れ開始

・6月30日

 夜間の外出制限を解除▽「Pass Sanitaire(衛生パス)」により1000人以上の集会が可能▽ディスコ、ナイトクラブは引き続き休業

「衛生パス」とは

 緩和の条件になっている衛生パスは、ワクチンの接種の証明、新型コロナウイルスからの治癒の証明、もしくは新型コロナウイルスの検査の2日以内の陰性結果を証明するもので、旅行や大規模なイベントの参加の際に必要となるようだ。6月9日には、新型コロナウイルス対策アプリ「TousAntiCovid」で運用が始まる見込み。

市民の受け止め方はさまざま

 マクロン大統領のツイッターでは、この緩和の「予告編」が見られる。手放しで緩和を喜ぶ声があがる一方、「わざわざこんな動画を制作するためにかかったお金の出どころは? 学校や病院の状況改善のために使ったらいいのに」「インド変異株もあり、状況は落ち着いたわけではない。こんなに早く新型コロナ発生前の日常に戻ることはまだできないだろう」「どうせまた、秋に締めつけするんでしょ」など、市民の冷めた声も聞こえてくる。

思いもよらず家族全員陽…

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竹内真里

フランス在住ライター

1978年千葉県生まれ。2000年から2002年までフランス南部マルセイユに滞在。その後、東京や香港でライターとして取材・執筆に従事。2015年に再びフランスへ。現在はリヨン市内でフランス人の夫、娘と暮らしながら現地情報を発信している。