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転ばぬ先の「かみ合わせ」とスポーツの深い関係

 
 

 新型コロナウイルス感染症が収まる気配を示さない中、どうしても家の中に閉じこもる傾向が強くなっていませんか? 「考えてみたら朝から眠るまで一度も外に出なかった」などと言う高齢者の方も珍しくないようです。

 しかし、そのような生活は心にも体にもストレスがかかっているといえます。

 新型コロナウイルス感染症の予防の基本は「3密を避ける」でしたね。①密閉(換気の悪い)空間、②密集(多くの人が集まっている)場所、③密接(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)場面――という三つの条件が同時に重なると、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。密閉、密集、密接を防ぐ行動は大切です。

 一方、屋外では、このような「3密」の条件が重なるような状況になることは考えにくいですよね。ですから、心の健康も考えて、屋外でのちょっとしたウオーキングにでも出かけませんか? 30分以上のウオーキングで深呼吸をしながら、景色を見ながら、楽しいことを思い浮かべながら歩くことは自分の心身へのすてきなプレゼントになります。

自由に外出するためのかみ合わせ

 実は、歯とかみ合わせと運動には、深い関係があります。その「粋な関係」についてご紹介しましょう。

 最初に、8020達成者(80歳で自分の歯を20本以上保っている人)の生活活動の状態を調べてみると、自分の歯を20本以上保っている方のうち、自由に外出できる方が80%もいます。歯のない方では40%となり、約半数の方が自分の思うようには外出できていないことが分かります。自分の歯がなくても入れ歯を入れていれば大丈夫です。

 さらに、30~70歳代の運動習慣(定期的に運動する習慣の有無)と「歯のない本数」を比べてみましょう。50歳代くらいから運動習慣のない人の歯のない本数が増えてきています。つまり、歯を失うことは運動習慣がつきにくくなる、あるいは、自分の体の動きを抑制する可能性のあることが推察されます。

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