百寿者に学ぶ バランス健康術!

紫外線の知られざる怖さ 免疫力低下にも関与

米井嘉一・同志社大学教授
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写真はゲッティ
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UVケアは油断しないで

 春から夏にかけては紫外線(UV)量が増える季節。夏はまだ先と思って油断していると、皮膚がダメージを受けます。「UVケアをやってます!」という方はぜひとも続けてください。「私は不要」と思っていた方はこれを機会に始めましょう。

 皮膚の老化度(「老化のサインはお肌から」参照)による測定では、日焼けしすぎた肌はメラニン色素が沈着し、「しみ年齢」が上がっていることが分かります。日焼けした肌は健康的に見えるかもしれませんが、過度の日焼けは、体全体の免疫力の低下を引き起こす怖さがあります。

しみができる仕組み

 UVは肌を通過して色素細胞を刺激します。日焼けの程度や時間にもよりますが、UVの刺激で色素細胞はメラニンを生成し、分泌されたメラニンを周囲の角化細胞が取り込みます。角化細胞はメラニンを核の周りに日よけのように配置し、大切な核をUVから守るのです。

 通常ならばメラニンは4~7日ほどで分解されるので、日焼けで黒くなった肌は徐々に元の色に戻ります。しかし、UVによって核のDNAが損傷すると、角化細胞に異変が起こります。代謝異常が生じて、メラニンが分解できなくなり、しみが形成されてしまうのです。過度の日焼けが繰り返されるとしみの数が増えていきます。これが「しみ年齢が上がる状態」です。

 DNA損傷による異変は発がんの大きな原因です。日焼けが繰り返されると、皮膚がんを発症する危険性が高まるので、注意が必要です。

過度の日焼けは思わぬダメージに

 皮膚を通過したUVは、樹状細胞(ランゲルハンス細胞)にダメージを与え、細胞が死滅し、その数が激減します。樹状細胞は体の免疫機構において重要な役割を果たしています。細かい枝のような突起を張りめぐらせて、ウイルスなどの異物の侵入を監視しているのです。新型コ…

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米井嘉一

同志社大学教授

よねい・よしかず 1958年東京生まれ。慶応義塾大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了後、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校留学。89年に帰国し、日本鋼管病院(川崎市)内科、人間ドック脳ドック室部長などを歴任。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学アンチエイジングリサーチセンター教授に就任。08年から同大学大学院生命医科学研究科教授を兼任。日本抗加齢医学会理事、日本人間ドック学会評議員。医師として患者さんに「歳ですから仕方がないですね」という言葉を口にしたくない、という思いから、老化のメカニズムとその診断・治療法の研究を始める。現在は抗加齢医学研究の第一人者として、研究活動に従事しながら、研究成果を世界に発信している。最近の研究テーマは老化の危険因子と糖化ストレス。