新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年の3月から、在住する東京都世田谷区内の介護・医療・福祉従事者、介護家族、区議会議員など30人ほどに声をかけ、SNS(ネット交流サービス)上でグループをつくって、新型コロナについての情報交換をしています。最近、ここで盛り上がっているのは介護保険の利用者や、介護・医療・福祉従事者へのワクチン接種の困難さについての話題。利用者に代わってインターネットの予約に奮闘するケアマネジャー、自身へのワクチン接種の連絡もまだ来ない状況にヒヤヒヤしながら、24時間体制で利用者宅を回っている訪問看護師、利用者が感染したためPCR検査を受けたところ、ヘルパー全員が陰性でホッとしたという介護事業者、混乱するワクチン接種進行状況を整理して、「もう少し頑張りましょう」とメンバーを励ましながら伝えてくれる医師……。現場のなまなましい声が、刻々と伝わってきます。

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中澤まゆみ

ノンフィクションライター

なかざわ・まゆみ 1949年長野県生まれ。雑誌編集者を経てライターに。人物インタビュー、ルポルタージュを書くかたわら、アジア、アフリカ、アメリカに取材。「ユリ―日系二世 NYハーレムに生きる」(文芸春秋)などを出版。その後、自らの介護体験を契機に医療・介護・福祉・高齢者問題にテーマを移す。全国で講演活動を続けるほか、東京都世田谷区でシンポジウムや講座を開催。住民を含めた多職種連携のケアコミュニティ「せたカフェ」主宰。近著に『おひとりさまでも最期まで在宅』『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(いずれも築地書館)、共著『認知症に備える』(自由国民社)など。